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新車の慣らし運転で高速道路を走らせたほうがいい?自動車部品の元設計担当が解説

新車の慣らし運転を兼ねて、高速道路で出かけたい人もいるのではないでしょうか。

一方で「慣らし運転の段階で高速道路を使うと、壊れてしまうのではないか」と不安な人もいるでしょう。

結論から言うと、新車の慣らし運転で高速道路は走ってもいいです。

むしろ、走らせたほうがいいです。

しかし、新車の慣らし運転で高速道路を走るときの注意点もいくつかあります。

本記事では、新車の慣らし運転で高速道路を走らせたほうがいい理由と注意点を、先日新車が納車された、自動車部品の元設計担当が解説します。

※新車にも、車種や車体によって個体差があります。本記事で紹介する距離はあくまで目安です。

新車の慣らし運転で高速道路を走らせるべき理由

新車の慣らし運転で高速道路を走らせるべき理由

新車の慣らし運転で、高速道路を走らせたほうがいい理由は、以下の3つです。

  • 走行距離を稼ぎやすい
  • 一定の速度で走れる
  • 一般道と両方を走ることで、バランスよく慣らせる

詳しく見ていきましょう。

理由①:走行距離を稼ぎやすい

車に詳しくない人でも、高速道路で慣らし運転をすることによる恩恵を受けやすいのが「走行距離」です。

人によって意見の違いはありますが、慣らし運転は以下の距離が目安と言われています。

  • 欧州車…2000km
  • 国産車…1000km

「家の近くに買い物を行くためにしか車を使わない!」という人からすると、1000km走るのは気が遠くなりますよね。

往復10kmのスーパーに行くだけなら、毎日行ったとしても慣らし運転が終わるまで100日かかります。

しかし、高速道路を80キロ巡行で走ったとしたら、5時間走れば400キロです。

2週間に1回遠出しただけでも、1か月半もあれば慣らし運転が終わるという計算になります。

理由②:一定の速度で走れる

次に「一定の速度で走れる」ことです。

一定の速度で走ることで、エンジンやトランスミッションにかかる負荷を減らすことができます。

一般道だと信号などでストップ&ゴーが頻繁にありますが、高速道路だと渋滞や料金所、合流地点以外は一定の速度で走ることができます。

一般道より負荷をかけずに慣らし運転を終わらせることができるのが、高速道路の魅力です。

理由③:バランスよく慣らせる

最後に「バランスよく慣らせる」ことです。

車に詳しい方だとイメージしやすいと思いますが、エンジンやブレーキ、トランスミッション、サスペンション、タイヤなどをバランスよく慣らすことが大切です。

(詳しくは後ほど注意点で解説)

一般道だと、速い速度でのエンジンやトランスミッションを慣らしにくいことが多いため、バランス良く慣らすためにも高速道路の走行は欠かせません

新車の慣らし運転で高速道路を走らせるときの注意点

新車の慣らし運転で高速道路を走らせるときの注意点

一方で、新車の慣らし運転で高速道路を走らせるときに、注意点があります。

今から紹介する注意点を守らないと、調子が悪くなる可能性がありますので、頭に入れておきましょう。

  • 『急』の付く動作を避ける
  • エンジンの回転数を上げすぎない
  • 高速道路だけで慣らし運転をしない

注意点①:急加速、急減速を避ける

まずは急加速、急減速、急ハンドルなど『急』のつくものを控えることです。

高速道路では、以下ようなことをすると『急』のつく動作をせざるを得ない状況が出てきます。

  • 無理な追い越し
  • 車間距離不保持
  • 法定速度違反

慣らし運転でなくても交通違反になるのでダメですが、慣らし運転の時は普段の2割増しで注意しておきましょう。

ただし、1つだけ急発進が必要とされる場面があります。

それは、インターチェンジやサービスエリアから本線に合流するときです。

急発進はダメだからといってゆっくり加速しすぎると、本線の流れを乱してしまい事故にあう危険性があります。

本線に合流するときは、法定速度までしっかり加速して流れに乗るようにしましょう。

注意点②:エンジンの回転数を上げすぎない

CVTやハイブリッド車の方には当てはまりませんが、エンジンの回転数を上げすぎないことです。

慣らし運転の状態でエンジンの回転数を上げすぎてしまいますと、エンジンに負荷がかかるゆえに、調子が悪くなることもあります。

例えるなら、マラソンでろくに準備運動をせずに全速力で走るようなものです。

目安として、慣らし運転の間はタコメーターの半分程度に抑えておきましょう。

ぼくが納車されたマーチニスモSだと6500rpmがレッドゾーンですので、3250rpm以下にするという目安です。

※rpm……1分間当たりの回転数を表す単位

実際、慣らし運転の間は3000~3500rpmに抑えるようにしています。

そして、回転数は速度を出しすぎると必然的に上がります。

時速100km以下で巡行し、スピードの出しすぎには注意しましょう。

注意点③:高速道路だけで慣らし運転をしない

最後に、高速道路だけで慣らし運転をしないことです。

先ほど軽く触れましたが、高速道路だと速度が一定となるため、バランスよく慣らすことが難しいです。

例えば、高速道路は一般道路より加減速が少ないことから、ブレーキをあまり慣らすことができません。

おすすめは一般道と高速道路の半々で慣らし運転をすること。

まとめ:新車の慣らし運転では高速道路も走ろう

まとめ:新車の慣らし運転では高速道路も走ろう

本記事では、新車の慣らし運転で高速道路を走ったほうがいい理由と注意点を解説しました。

新車の慣らし運転は、一般道と高速道路でバランスよく走ることが大事です。

車の調子を悪くするだけでなく、買ったばかりの愛車で事故を起こさないためにも、いつも以上に安全運転を心がけましょう。

特にスピードが出すぎると、エンジンに負荷がかかるので注意しましょう。

本記事が、新車で慣らし運転をする人の参考になれば幸いです。

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